男子は楢崎智亜(21=栃木県連盟)が2位、石松大晟(20=熊本県連盟)が自身初のW杯表彰台となる3位に入った。女子の野口啓代(茨城県連盟)は3位。楢崎智と石松はともに4課題のうち3つを成功したが、楢崎智は完登に要したトライ数が少なかった。シーズン総合の男子は千宗原(韓国)が2季ぶりに制し、昨季王者の楢崎智は2位。既にショーナ・コクシー(英国)が2季連続の優勝を決めていた女子は野口が3位だった。

 実力者の楢崎智と、新鋭の石松が最終戦で表彰台に上り、日本の層の厚さ、競争の激しさを再認識させる結果となった。

 楢崎智は昨季、世界選手権を日本人として初めて制し、さらにW杯総合王者に輝いたが、今季は守りの姿勢に入っていたという。ミュンヘンでの最終戦は最後まで優勝争いにからみ、本来の姿を見せた。「久々に登っていて、めちゃくちゃ気持ちよかった。チャレンジャーの自分を思い出せた」とうなずいた。

 来季は世界選手権連覇と、総合王者奪回が期待される。「最終目標は2連覇と、もう1度年間チャンピオンを取りたいですね。常にこういうクライミングができれば、大会ごとにレベルアップできる」と手応えをつかんでいた。また、石松は初の表彰台に「最高ですね。(3位が確定した瞬間は)正直、泣きそうでした。緊張もしたけど、登ることに集中できた」と自信を深めていた。