女子1000メートルで小平奈緒(31=相沢病院)が1分12秒09の世界新記録で優勝した。個人の五輪種目で日本女子が世界記録を出すのは初めてで、15年にブリタニー・ボウ(米国)が作った記録を0秒09更新した。今季同種目3勝目で、500メートルを加え、W杯通算19勝目を挙げた。

 何度も拳を握り喜びを表現した小平は「今日は喜んでいい。内にエネルギーを秘めて、自分の考えに徹することができた。これでやっと自信を持って1000も私の距離だと言える」。2冠が期待される来年2月の平昌五輪に向けては、「ここからが勝負。けがや風邪に気を付けて、隙をつくらないように、自分を高めていきたい」と話した。

 結城匡啓コーチは「素直にうれしい。自己ベストを出したという意味でもすごく自信になる」とコメントした。

 ◆小平奈緒(こだいら・なお)1986年(昭61)5月26日、長野県茅野市生まれ。3歳からスケート開始。伊那西高から信州大。06年にW杯初参戦。同大卒業後、09年から相沢病院に所属。10年バンクーバー五輪では女子団体追い抜きで銀メダル、1000、1500メートル5位。14年ソチ五輪は500メートル5位、1000メートル13位。昨季はW杯500メートル出場8戦全勝で種目別優勝、世界距離別選手権500メートル優勝、世界スプリント選手権総合優勝。165センチ、61キロ。