ラグビーのトップリーグで、世界的スーパースターが勇姿を見せる。神戸製鋼に新加入した元ニュージーランド代表「オールブラックス(ABs)」のSOダン・カーター(36)が16日、神戸市内で行われた入団記者会見に出席した。

 14日に来日し、この日の午前練習でチームメートと顔を合わせた。ABsで112キャップを誇り、11、15年のW杯優勝に貢献(11年は故障で本戦は欠場)したカーターは「私のキャリアを神戸で終わらせようと思っています。フランスでの契約が終わる頃にもう1つ、プレーしたい国があった。そこが日本でした。非常にエキサイティングな気持ちです。学校が始まるときの気持ちで、新しいことがたくさんあって、それがモチベーションになっています」とさわやかな笑みを振りまいた。

 カーターは15年W杯イングランド大会後に代表を引退し、フランスのラシン92でプレー。国際統括団体であるワールドラグビー(旧IRB)の年間最優秀選手に3度選出された。司令塔として豊富な引き出しを持ち、正確な左足のキックなどで、テストマッチ個人得点世界歴代最多の1598得点を記録している。

 トップリーグでは現在に至るまで、元オーストラリア代表で139キャップを誇るSHジョージ・グレーガン(元サントリー)、元ABsで103キャップを持つCTBマア・ノヌー(元リコー)など多くの世界的スターがプレーをしてきた。その中でもカーターの実力、知名度はトップクラスだ。

 5月には神戸製鋼でチームメートとなる、元オーストラリア代表116キャップのBKアダム・アシュリークーパー(34)も「自分はこれまで(カーターとは)相手としてプレーしてきたので、興奮しているよ。やっと相手じゃなく、同じチームメートとしてプレーできる。すごくうれしいことだし、楽しみ。同じユニホームを着てプレーできるのが、本当に楽しみだよ」と合流を待ちわびていた。

 かつて日本選手権で7連覇を達成した名門の神戸製鋼は、トップリーグ初年度だった03-04年シーズンの優勝を最後に、頂点から遠ざかっている。カーターは「今年、優勝したい。優勝することは簡単じゃなく、強いチームもたくさんある。ハードワークをして、優勝したいと思っています」。今季の開幕戦は8月31日のNTTコミュニケーションズ戦(神戸ユニバー)。15季ぶりの優勝へ、これ以上ない役者が加わった。