16年前回大会ボルダリング王者の楢崎智亜(22)が、予選の5課題全てを完登し、A組首位で準決勝進出を決めた。ジャカルタ・アジア大会複合銀メダルの藤井快(25=ともにTEAM au)が同組5位、渡部桂太(25=住友電装)が同組7位に入り、B組は原田海(19)が4完登で2位、緒方良行(20=ともに神奈川大)が3位。日本勢は5人が、20人で争われる15日の準決勝に駒を進めた。

楢崎智が、全力の登りで首位発進した。「始めから全力で登る」をテーマに臨んだ今大会のボルダリング。予選の3課題目、5課題目を1撃(1度目のトライで完登)するなど全5完登でA組1位に立った。「久しぶりに予選を1位通過できて気持ちいいっすね」と表情をほころばせた。

予選前日の11日夜、メンタルトレーナーに見てもらい、優勝した16年大会からの心境の変化を振り返った。「今まではけっこう予選のギアで行くって感じで出て、あまりいい順位が無かった」。今季はW杯モスクワでの第2戦で優勝したものの、ミュンヘンでの最終戦では9位、年間王者の座もあと1歩で逃した悔しさがあった。

気持ちを入れ直し「今回は予選から全力でいく」とスタートを切った。「このまま勢いにも乗れそうなのでよかったです」と笑みを浮かべ「複合での優勝が1番ですけれど、ボルダリング優勝ももちろん狙う」と楢崎智はさらに加速する。【戸田月菜】