17歳の女子高生スイマー小池さくら(日体桜華高)が、アジア新記録を連発して100メートル平泳ぎ(運動機能障害SB6)を制した。

予選の1分48秒82から決勝では1分48秒48とさらにタイムを伸ばして圧勝。今年3月にマークした日本記録の1分52秒32を大きく塗り替えた。小池の日本記録は中国人選手が持っていたアジア記録1分55秒96を上回っていたが、未公認。そんな逆転現象もこの日の快泳で一気に解消した。

「体に疲れがあって調子はよくありませんでしたが、ベストが出てよかったです。リラックスして泳げたのがよかったです」。いつもは緊張感に包まれレースに臨むが、控室でライバルたちと言葉を交わせた余裕が伸びのある泳ぎにつながった。その余裕を生んだのは自信。普段は車いす生活で、泳ぎでは下半身が使えない。レース中に疲れが出ると腰から下が沈みがちになる欠点があったが、地道な腹背金の強化が安定したフォームを支えている。

専門は400メートル自由形。平泳ぎの急成長で「20年東京では何がメーンになっているか分かりません」と、うれしい悩みを抱えることになった。10月のジャカルタ・アジアパラ大会は初の大きな国際舞台になるが、記録もメダルも期待できる選手になった。