F1第20戦ブラジルGP決勝でトロロッソ・ホンダ勢はピエール・ガスリーが9番グリッドからスタートしたもののペースが振るわず13位。16番グリッドからスタートしたブレンドン・ハートレイは巧みな作戦でポジションを上げたが11位に終わり、ポイント獲得はならなかった。

1周アタックの予選ではQ3に進む力をみせたものの、決勝ではライバルほどの速さがなかった。セットアップを予選寄りにしすぎたためか、コンディション変化によるものか、チームはまだ明確な答えを導き出せていないという。

「今日の僕らはどんな戦略を採っていようが純粋なペースが足りなかったと思う。パフォーマンスを欠いていたことが最大の問題だよ。その原因がどこにあったのか、究明しなければならないだろう。もしかするとセットアップ面で予選1ラップのパフォーマンスにフォーカスしすぎて、それがレースペースに悪影響を及ぼしてしまったのかもしれない。これからあらゆるデータを見直して分析しなければならない。とにかく今日の僕らは思っていたほどのパフォーマンスがなかったんだ」(ガスリー)

スーパーソフトタイヤでスタートしたガスリーはタイヤにブリスター(熱ぶくれ)を抱えてペースが低下し後続に抜かれた。ミディアムタイヤでスタートしたハートレイは49周目まで保たせてスーパーソフトに換え、終盤はガスリーの背後に追い付いたためチームは順位の入れ換えを指示したもののガスリーがこれを拒否して一悶着。

「僕がスワップしろと言われたときには譲ったし、そのせいで自分のレースを少し犠牲にもしてきた。もし自由に戦えと言われればそれならそうで僕は構わなかったんだ。でも今日はスワップしろと言われたんだからね。いずれにしても僕は内容としては今季最高の力強いレースができたし自分のレースには満足だよ。ただマシンにペースがなかった。ポイントを獲れなかったことだけが残念だよ」(ハートレイ)

ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターも決勝ペースの遅さを究明し次の最終戦アブダビGPでは全力を引き出せるようにすると語った。

「ロングランのペースが良くなくて、それが今日の結果になった要因だと思います。ガスリーは予選でQ3まで入ることができましたけど、レースではそこを守り切れずに前にも結構離されてしまいましたし、レースペースが良くなかったことが今日の全てでした。シーズンの最後はきっちりしたかたちで1年を締めくくりたいと思っています。チームとして今回の原因をしっかりと究明しなければなりませんし、我々ホンダとしてもパワーユニットのパフォーマンスをもう一回見直して、持てるパフォーマンスを最大限に発揮できるように準備をして臨みたいと思います」

(米家峰起通信員)