質疑応答がないのはなぜ? フランスの捜査当局が20年東京オリンピック(五輪)招致を巡り、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)を贈賄の疑惑で容疑者とする捜査開始を決定した問題で15日午前、竹田氏が都内で記者会見に応じた。

竹田氏は潔白を訴える声明文を読み上げた。ただ質疑応答はなくわずか7分で退出した。会見時間は30分間の設定で、メディア側から「質疑応答はしないんですか?」という事情説明を求める声が上がった。

JOCは、12日に会見開催のリリースを発表した。柳谷広報企画部長(53)によれば、当初は質疑応答も選択肢にあったが、フランス当局が調査中の案件であることも鑑みて「今はやめておいたほうがいいだろうということで、JOCが(質疑応答をしないことを)決めました。関係団体と調整しました」と説明した。

ただ質疑応答を行わない旨は会見当日の15日午前1時ごろに決定されて、メディア側に15日午前2時4分のプレスリリースで発表する形となった。会見開始まで約9時間前という直前の変更となったために、メディア側から「何か隠していると思われて、東京五輪のイメージダウンにつながる」との批判が寄せられた。

JOCは会見終了後、メディアの要請に応じて再度、質疑応答の可否を検討した。柳谷部長が、竹田氏に対して「メディアから質疑応答の要望があります」と伝えたという。竹田氏は、JOCの顧問弁護士、関係者と協議を行った。会見終了から約1時間後に、柳谷部長が、竹田氏のコメントを発表。「弁護士、関係者とも相談し、慎重に検討した結果、捜査への影響がありえるので、質疑応答は控えることにいたしました。なにとぞご理解のほどをよろしくお願いいたします」。これにより、質疑応答は開催しないことが決まった。