東レが豊田合成を下し、「ファイナル3」進出に王手をかけた。小林敦監督(45)は「先行される難しい展開が多かったが、最後まで諦めず粘り強い戦いができた」と勝因を分析。フルセットの接戦を制した選手たちをたたえた。

ミドルブロッカー(MB)高橋健太郎(24)が、貴重な2ポイント獲得の原動力となった。2-2の最終第5セット。高橋のブロックポイントを契機に計4本を決め、豊田合成を振り切った。MB富松崇彰(34)の負傷の影響でチャンスが巡ってきている成長株は、両軍最多の5セット計6本のブロックを記録。「(試合)中盤以降にブロックが出たことは成長。チームのプラスになれて良かった」と、白い歯を見せた。

鬱憤(うっぷん)を晴らす活躍だった。「ファイナル6」の初戦から3試合を終え、チームのブロック決定本数は1セットあたり1・62本。6チーム中最下位だった。高橋は「周りからも言われていたし、自分自身もしびれを切らしていた」。第3セット中盤からリードブロック(相手のトスを確認してから跳ぶ)に変更した機転も功を奏した。

今日24日の最終戦は堺と対戦する。勝てば、上位3位以内が確定。指揮官は「明日のゲームに向けてコンディションを整えたい」と言えば、高橋も「しっかり『ファイナル3』に進みたい」と言った。気の緩みはない。勝って、2季ぶりの優勝へ前進する。【前田和哉】