22日の女子フリーでエリザベート・トゥルシンバエワ(19=カザフスタン)がシニアの国際大会で初めて4回転サルコーに成功し銀メダルを勝ち取った。日本勢も高難度ジャンプに着手する見通し。22年北京五輪のメダルを視野に入れ「女子4回転時代」がやってくる。

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女子シングルの新時代到来へ、日本勢も流れに乗り遅れない。その筆頭が紀平梨花(16=関大KFSC)。16年に女子7人目のトリプルアクセル(3回転半)ジャンパーとなり、今大会も3本中1本の3回転半成功で4位に入った。シニア2年目の来季に向けて「もっともっといい成績を出さないといけない」と誓う。

脅威となるロシアジュニア勢のシニア参戦を見越し、今年1月の米コロラド合宿では4回転習得に励んだ。羽生結弦も担当するジスラン・ブリアン・コーチのジャンプ指導を基に「ちょっと慣れてきた」と4回転サルコーに手応えを語る。

昨年12月のGPファイナル時には浜田美栄コーチが「4回転は1つ欲しい。4回転はショート(プログラム、SP)では入れられないけれど、アクセルは必須なので、それが(紀平は)うまいのは強み」と見通しを示した。22年北京五輪は「もちろん(フリーで)トリプルアクセル2本、4回転1本あれば、一番高い台に上がれるんじゃないかな」と想定する。現ルールではSPで4回転を入れられないため、必須要素のアクセルでトリプルを組み込める紀平に4回転が加われば、さらに優位となる。

今大会5位の坂本花織(シスメックス)もシーズン後、本格的に3回転半の練習を再開する。中野園子コーチは「3回転半ができたら、すぐに4回転トーループにかかりたい」とし、坂本も「今季はオフに体重が増えて、あまりやりたくなかった。来季はしっかり練習したい」。同6位の宮原知子(関大)も3回転半の練習を始めており、日本勢にとっても勝負のシーズンオフになる。【松本航】