日本水連が、競泳日本代表でコーチ経験がある神奈川・アリーナつきみ野スポーツクラブの萱原(かやはら)茂樹コーチ(45)に3年間のコーチ資格停止処分を下していることが22日、分かった。同クラブ内でのパワハラ、暴言などが理由。同コーチは、代表常連の女子自由形の青木智美を長年にわたって指導しており、昨年12月の短水路世界選手権(中国)では日本代表選手団のコーチも務めた。

問題の発端は昨年末だった。同クラブの複数の保護者が、同コーチが選手にパワーハラスメント、暴言などを行ったとして日本スポーツ協会に相談した。関係者は「日本水連が対応にあたりました」と話す。

同協会から報告を受けた日本水連は即座に弁護士らによる第三者委員会を立ち上げ、関係者への聴取を行った。そして同コーチの言動が、倫理規定第6条の「役職員等及び登録者等は暴力、パワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメント、差別及びドーピング等薬物乱用などの不適切な行為を絶対に行ってはならない」に抵触すると判断し、3月に3年間の資格停止を通達。20年東京五輪期間中を含む処分に、パワハラなどに厳しく対処する日本水連の姿勢が表れている。

同コーチは、日本水連主催の大会では関係者エリアに入れない。今月の日本選手権でもプールサイドなどで指導はできず、一般スタンドから観戦した。一方で処分への不服申し立てを申請しており、今後は第三者委員会で再調査が行われる見通し。結果次第では、処分の内容が変更となる可能性も残されている。