オリンピック(五輪)王者が復活ののろしを上げた。柔道のグランプリ・モントリオール大会で2年11カ月ぶりに国際大会優勝を果たした男子90キロ級のベイカー茉秋(24=日本中央競馬会)が14日、成田空港に帰国した。

16年リオ五輪以来の金メダルに「長いトンネルから抜け出せた。この優勝が起爆剤となってこのまま勝ち続けたい」と、完全復活への手応えを口にした。

同五輪後は右肩手術の影響などもあって結果を残せず、苦しい日々が続いた。試合では右肩を意識し過ぎて、本来の柔道を出せず、不完全燃焼で終わることもあった。「技術と同じぐらい、『優勝する』という強い気持ちを持たないといけない」と考え、今大会はこれまで以上に「強い気持ち」で臨んだ。

今大会は、リオ五輪代表が5人出場した。同五輪後、右膝手術した81キロ級の永瀬貴規(25=旭化成)も約2年半ぶりに国際大会優勝を果たし、ベイカーは「リオで一緒に戦った先輩たちの頑張りが、良い刺激になった。『僕も頑張る』という気持ちになった」と、相乗効果を生んだことを強調した。

1カ月後に迫る世界選手権(8月25日開幕、日本武道館)代表からは漏れ、20年東京五輪の代表争いでは追う立場だ。「リオ五輪以上の力をつけたら絶対に負けない。まだ光はあると信じているし、それを目指してやっていきたい」と五輪2連覇へ、強い決意を示した。