八村、渡辺をフル稼働させる。バスケットボール男子日本代表フリオ・ラマス監督(55)が18日、都内で会見を開き、20日からの日本代表合宿、8月31日から始まるW杯(中国)に向け意気込みを語った。

八村や渡辺は、NBAの規則により、代表活動が最大で28日間と定められている。ラマス監督は「規則はしっかり守る。27日でも29日でもなく28日間をフルに使えるようにする」と話した。2人の合流は早くて7月末、遅くても8月1日からの代表合宿(名古屋)には参加できるように、日本協会がNBAと交渉中だ。

「ウィザーズ八村」の誕生で日本のバスケットボール熱が高まっている。初めて一緒に世界大会を経験する八村との28日間を最大限に生かすため、ラマス監督自らケアも行う。「NBAでも日本でも話題になった。スタッフ一同しっかり彼を守って、バスケットに集中できるようにしたい。自分もサポートして道しるべを作れたら」とプレーしやすい環境を作っていく。

母国のアルゼンチンで、八村のサマーリーグの試合もチェックしたというラマス監督は「今までは大学だったが、今回初めてプロ選手と一緒にプレーして順応する能力は高いだけでなく、自分の技術もしっかり披露している」と評価。さらに代表でも八村を中心選手として起用することを示唆した。「日本には必要不可欠な選手。これからも成長するだろうし、将来は偉大な選手になってほしい」と期待を込めた。

国内の代表候補選手は20日に合流。8月には現在台湾でのジョーンズ杯に出場している若手のチームから5人を選出し、18人で8月の国際試合(5試合)を戦って最終メンバー12人を絞り込む。ラマス監督は「ニュージーランドやアルゼンチンなど強豪相手にどれだけやれるか。今まで以上に質、実行力、スピードすべてにおいて成長が必要になってくる」と語った。

W杯前の大事な1カ月が間もなくスタートする。「八村がドラフトで指名されたことは偉業。渡辺も活躍している。今、日本バスケット界は成長しなければいけない時期にある。自力で21年ぶり出場を勝ち取り、44年ぶりの東京五輪出場も決まった。いい流れを肌で感じている」。ラマス監督は期待と闘志を胸に、勝負の8月を乗り切って、最強の日本代表を結成してW杯を迎える。【松熊洋介】