【光州=益田一弘】東京オリンピック(五輪)新種目の混合400メートルメドレーリレーで日本(酒井、小関、水沼、大本)は今大会での五輪出場枠を逃した。男女2人ずつが背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、自由形で泳ぐ種目で予選12位以内に権利が付与される形だった。日本は予選4組5番目でゴールしたが、アンカー自由形大本里佳(22=イトマン)の引き継ぎ違反で失格となった。

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大本は、泣きはらした目で取材エリアに現れた。引き継ぎ違反による失格について「焦って飛んでしまったんですけど。まだまだリレーもあるので、こういうことがないようにしたい」と言葉を絞り出した。早く飛び込み、今大会での五輪出場枠が消えて、泣いた。

東京五輪新種目は、男女2人ずつで泳ぐ。どの泳法に選手を配置するかは各国の判断に委ねられる。日本は女子背泳ぎ酒井→男子平泳ぎ小関→男子バタフライ水沼→女子自由形大本のオーダーで臨んだ。男女が同時に泳ぐこともあり、めまぐるしく順位が変わる。日本は第3泳者の水沼が「各国で男女の並びが違う。女子への波がくるので、負担をなくすように」と7番手から3番手まで上げた。しかしその直後に落とし穴が待っていた。水沼は「誰が悪いとかそういうことじゃない。課題があるので、それを個人種目につなげていけば、意味あるものになる」と大本を気遣った。今後は世界ランク上位に入るタイムを出して、五輪出場枠を確保していく道に回る。

失格が決まって、大本はプールサイドで酒井らに慰められた。最終の28日には女子400メートルメドレーリレーもある。気持ちを立て直して、再び東京五輪出場枠にアタックするしかない。