【バーゼル(スイス)18日=松熊洋介】来年の東京パラリンピックで初採用となるパラバドミントンの世界選手権(20日開幕)の記者会見が行われ、女子車いすの山崎悠麻(31=NTT都市開発)が「これが世界の多くの人が集まってやる(五輪前)最後の大会。自分のプレーでいい結果を出せればパラ出場にもつながるので金メダルを持って帰りたい」と意気込みを語った。

今大会はバドミントン世界選手権と同時開催。山崎は「普段、健常者の試合を見る機会がなかなかない。刺激をもらいながら自分たちも刺激を与えたい」と話した。バドミントン日本代表も同時開催を喜ぶ。男子シングルス桃田は「バドミントン界にとっていいこと」。女子シングルス奥原も「見たことがないし、日本選手同士でもなかなか交流がないので、見に行ってみたい」と話した。

山崎は昨年9月に行われた「ジャパンパラバドミントン国際大会2018」で女子単複と混合で3冠を達成するなど、圧倒的な強さで日本を引っ張っている。里見紗李奈(21=NTT都市開発)とのダブルスでは、現在世界ランキング1位。獲得ポイントが2倍になる今大会で上位に食い込めば、3月かスタートしている、東京五輪出場を懸けた1年間の選考レースで大きくリードする。女王でありながらも気を抜かず、常に進化を求めて練習。「ローテーションという、回る動きを取り入れているので、今やっと形になってきた。まずここでどれくらいまでいけるか確かめて、東京パラリンピックに向かいたいと思っています」としっかりと前を見据えた。

同時開催で多くの観客の中で試合を行う。山崎は「この場に居合わせたことを光栄に思う。日本のバドミントンが注目されている中、パラもそれに乗っていきたい。両方で結果を残せたらいい」と日本一丸となってメダルラッシュを狙う。