フィギュアスケート女子の本田紗来(さら、12=京都醍醐FSC)が今夏、メインコーチをラファエル・アルトゥニアン氏(62)に変更したことが17日、分かった。複数の関係者によると日本スケート連盟へ申告済み。夏休みなどを利用し、姉真凜(18=JAL)も担当する同氏の指導を米ロサンゼルスで受けている。

イタリアで行われる26年オリンピック(五輪)を目指す「金の卵」が、小学生選手としては、異例の決断を下した。昨季まで関大(大阪府)を拠点とし、18年平昌(ピョンチャン)五輪女子4位の宮原知子(関大)らを育てた浜田美栄コーチに師事。17年全日本ノービス選手権では「ノービスB(6月末日時点で9~10歳)」で日本一に輝き、今年2月には国際大会デビュー戦のチャレンジ・カップ優勝で豊かな才能を示した。

旧ソ連(現ジョージア)出身のアルトゥニアン氏は、かつて浅田真央を指導。現在は世界選手権男子2連覇中のチェン(米国)を成長させている。年齢制限で22年北京五輪に届かない本田だが、一貫性のある同氏の指導を受けながら、世界トップ選手の技術を間近で学べるメリットもある。

ノービスの競技会は国内が中心のため、日本ではジャンプ指導に定評がある本田武史コーチ(38)に師事。国内外で“英才教育”を受けながら、その可能性を伸ばしていく。かねて本田は元世界ジュニア女王の真凜、女優業と両立する望結(15)の姉2人から「一番、才能がある」と評されてきた。スケート一家でのびのびと育った末っ子が、未知なる世界へと飛び出す。

◆本田紗来(ほんだ・さら)2007年(平19)4月4日、京都市生まれ。本田家の末っ子(四女)。3歳で競技を始め、スケートに取り組む兄太一、姉の真凜、望結の背中を追ってきた。アクセルを除く全ての3回転ジャンプを習得済み。18年全日本ノービス選手権はノービスA(6月末日時点で11~12歳)2位。推薦でカテゴリーが上の全日本ジュニア選手権初出場。