全日本テコンドー協会が強化指定選手を対象として17日から都内で行う予定だった合宿が取りやめになった問題で、全日本選手権8連覇中の江畑秀範(27=スチールエンジ)が18日、現状の理不尽さを訴えた。28人中26人が合宿辞退を表明した理由について「一番は不信感」と説明した。

<1>選考を盾にした自費による合宿参加 同協会は月に1度の合宿を行う。江畑によれば「岐阜で3泊4日で4万円、韓国合宿4泊5日で10万円」など自己負担がある。昨年は自己負担額が年間約100万円。合宿は義務で「参加できないなら『強化選手から外します』と言われた」。金銭的な理由で常に数人が不参加だが「お金がなくて合宿に参加できないなんてあり得ない、そんな高いお金じゃないだろと電話で言われました」と証言。17日からの合宿も自己負担があった。

<2>代表コーチの強引な指導 合宿では所属コーチではなく、代表コーチから頭ごなしに「それはダメだ」「それは違うだろ」と練習内容を否定されるという。同協会は、2年前に代表コーチが所属コーチと連携すると約束したが「僕のコーチとは2年間で1度も話がなかった」と言う。

選手にとって、強化選手から外す=五輪に出さないともいえる。自費で強制される合宿で、指導の違いから混乱する選手も多いという。「競技に集中できる、練習環境をちゃんと作ってほしい」と江畑は訴えた。