春先の休養から復帰5戦目を迎えた萩野公介(25=ブリヂストン)が、ラストチャンスで日本代表候補入りの基準タイムを突破した。得意の200メートル個人メドレーで、日本代表候補入り基準タイム1分59秒23突破を目指して出場。予選から飛ばして1分58秒73。三度目の正直でクリアした。

バタフライから25秒23でトップ、得意の背泳ぎを終えて54秒62で折り返した。3種目目の平泳ぎを終えて1分29秒44。独泳となったが、最後の自由形までしっかりと泳いで1分58秒73だった。萩野は「頑張りました。決勝も頑張ります」と引き締まった表情で決勝を見据えた。

決勝では1分59秒23とタイムを落として優勝。9日の200メートル背泳ぎに次ぐ今大会2冠となったが「決勝でタイムを上げたかった。そこが悔しいが、悲観的になる必要はないと思う」と話した。

レースを観戦した五輪2大会連続2冠の北島康介氏は、復帰後19レース目での基準タイム突破について「積み重ねが自信になる。高いところを求めすぎたところがあったが、これでスタートラインに立った」と話した。

第1日は200メートル背泳ぎ決勝では同基準タイムに0秒51及ばずも「悪くない。(明日は)ちゃんといいレースをすれば、間違いなく切れる」と手応えを口にしていた。

今大会で候補入りを逃せば、強化合宿の参加や国立スポーツ科学センターなどの施設利用ができなくなる。萩野は休養からの復帰後、代表候補入りの挑戦は今大会が3度目。復帰直後は苦しんだタイムだったが、今大会は照準を合わせて予選でクリア。東京五輪に向けて、金メダリストがスタートラインに立った。