ノルディックスキー・ジャンプ男子の小林陵侑(23)ら土屋ホームが11日、23日に開幕するワールドカップ(W杯)(ポーランド・ビスワ)の事前合宿地オーストリアへ向けて道内を出発した。昨季、日本人男子で初の総合優勝を果たした小林は、2連覇を目指し旅立った。

W杯開幕を前に、弟の龍尚(岩手・盛岡中央高3年)と竹花大松(東海大札幌高3年)の2選手が、来春チームに加入することが内定した。同じ環境で切磋琢磨(せっさたくま)し、一緒に22年北京オリンピック(五輪)を目指すことになる。「弟には頑張ってほしい」。短い言葉に弟と共闘する期待感が込められた。

結果でチームをけん引する。創部19年目を迎える来年は、最多の部員6人体制となる。小林には日本男子初の快挙を達成した昨季に続き、エースとして今季も期待がかかる。「まずはシーズンインでうまく感覚をつかめるかどうか」。昨年は個人初戦(ビスワ)で3位で初めて表彰台に立ち、2戦目のルカ大会(フィンランド)で初勝利。序盤でいかにリズムを作れるかを重要なポイントとした。

12日に成田空港を出発して、欧州に入る。約1週間の事前合宿に「まずはアイストラックの感覚をつかみたい。冬のレールは1本も飛んでいないので楽しみ」。今季も世界を驚かすビッグジャンプを決めて、王者としてルーキーの弟を迎え入れる。【西塚祐司】