女子は東海大札幌が網走桂陽を2-0で下し、16強に進出した。3月の奈良遠征をきっかけに、同地マスコットキャラクター「せんとくん」のクッションがチームに仲間入りした。緊張をほぐすゆるキャラ効果もあり、今夏総体道予選は8強と躍進した。2月の新人戦から続く道内3大会連続ベスト8へ、15日の3回戦は強豪の旭川実と対戦する。

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東海大札幌が輪になって歓喜の声を上げた。マッチポイントではレフト木下亜耶(1年)のスパイクを相手がはじき勝負がついた。2回戦を勝ち上がり、試合後にはラッキーアイテム「せんとくん」のクッションと一緒に記念撮影。佐藤向日葵主将(3年)は「緊張している部分もあったけど、ベンチも一体となって戦えました」と胸を張った。

ベンチで異彩を放つ「せんとくん」は、3月末の奈良遠征で村上惇嗣監督(34)が、東海大四OBで奈良女を強豪に育てた鬼嶋浩一監督からプレゼントされたもの。同監督の風貌がどことなく似ていて、ゆるキャラはいつしか選手から「先生」と呼ばれるようになった。5月に結婚した指揮官は「御利益があった」と冗談めかす。その上で「選手たちはちょっとしたことで元気になる」と強調した。

力を引き出すアイテムを手に入れた新チームは、6月の総体道予選8強と力をつけてきた。ベンチ入り最長身が171センチ、主力は165センチ以下の小柄なチーム。「小さいので役割をきちんと持って、粘るのが基本」と村上監督。35度優勝の男子と比べると、中学時代に実績のある選手は少ない。チームは「いい顔・攻める・やりきる」の3原則を掲げ、一体感をテーマに練習を積んできた。佐藤も「身長は低いけど粘り負けしない」。チームワークが最大の武器だ。

8強入りをかけて戦う旭川実には新人戦、総体で1セットも取れずに敗れた。佐藤は「試合がどうなっても全部の力を出し切りたい」。幸運のマスコットとともに快進撃を目指す。【浅水友輝】