F1第20戦ブラジルGP予選でレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得し、チームは歓喜に包まれた。

第18戦メキシコGPでは予選で最速タイムを記録しながら黄旗無視の3グリッド降格ペナルティを科されてポールポジションからスタートすることができなかっただけに、フェルスタッペンも「2回目って言ったけど、僕は3回目だと思っているから。メキシコでも獲っているから、ハンガリーとメキシコに続いて3回目だよ」と語り、喜びもひとしおだった。

ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターもメキシコで獲り逃したポールポジションを獲得できたことに喜びを見せた。

「FP1が雨でほとんど走れず昨日から時間の短い中で走行を重ねてきて、まだクルマには課題を抱えているというようなことをマックスも言っていましたけど、最終的に予選でピッタリと合わせ込めたということでポールポジションを獲ることができました。メキシコGPで最速タイムを記録しながらポールポジションを失ったというのが引っかかっていましたから、それを今年中に取り戻せたのは非常に明るい話題だと思います。夏休み前のハンガリーでポールを獲って、その後はフェラーリが速くてメルセデスAMGも依然として強くて上に行かれてたのが、ここのところ少し様相が変わってきた中でメキシコで取り損なったポールポジションをここで獲得できたのは大きな意味があると思います」

レッドブル・ホンダの最高速の伸びに注目が集まったが、最高速は330km/hでフェラーリと同等。メルセデスAMGはメインストレートでは327km/h、バックストレートでは330km/hと僅かに遅れを取った。これは標高800mのサンパウロでターボのコンプレッサーにこれ以上の負荷をかけられず、平地に較べて性能低下を余儀なくされているからだとメルセデスAMGは説明する。

これに対してホンダはスペック3から使用しているホンダジェットの技術を織り込んだターボの効率が高く、高地でも効果を発揮している。田辺テクニカルディレクターはこう語る。

「今回の効果がどこまでははなんとも言えませんが、(標高2200mの)メキシコレベルでは、本田技術研究所の技術を入れてスペック3から投入したターボの効果があるかないかと言えば、あります。ただし我々も別に高地に合わせた設計をしているわけではありません。全体的に効率が上がったことで、効率マップの端っこの方の圧縮比が高いところでも効果があったということですね」

事実、ハードウェアとしては車体もパワーユニットも日本GP以降は大きな変化はない。フェルスタッペンはマシンバランスが極めて良かったと語り、田辺テクニカルディレクターもマシンパッケージとして上手く仕上げることができたのが大きかったと語った。

「パッケージとして空力、パワーユニット、タイヤマネージメント、予選アタックに出るタイミングなど色々含めて上手く戦うことができたと思います。その結果としてポールポジションを獲得することができたということだと思います」

(米家峰起通信員)