バドミントン香港オープンで連覇を飾った混合ダブルス世界ランキング3位の渡辺勇大(22)、東野有紗(23=日本ユニシス)組が、18日羽田空港に帰国した。1月のマレーシアマスターズ以来、久しぶりの優勝に渡辺は「連覇を意識せず、自然体ですごく楽しむことができたので良かった」と振り返った。

大会が行われた香港は現在、政情不安によるデモ隊と警官隊の激しい衝突が起きており、治安が悪い中での試合だった。渡辺は「実感としては危なかった。生きることが第一なので」と話した。そんな中無事に試合を終えて帰国。「かなり気を使ってもらった大会だったが、やはり危なかったので外には出なかった」と危険を感じながらの試合だったことを明かした。

今季は安定した成績を残しながら、優勝まではなかなか届かず、満足の結果が残せてはいなかった。世界ランキングはずっと3位ながら上位2組の中国ペアとは「まだ差がある」と2人とも自覚している。それでも今大会は、決勝まで5試合すべてストレート勝ちで自分たちの納得のプレーがすこしずつできるようになってきた。東野は「いい形でコンビネーションができたので継続していきたい。中国の2組のペアの壁を乗り越えられるように」と手応えを感じた。

来月には五輪、世界選手権に次ぐ格付けの高いツアーファイナル(11日~15日)が行われる。渡辺は「今大会良かったことを続けていく中で、ミスも少なくしていけば、もっとレベルが上がっていく」。ようやく自分たちの思い描く形に近づいてきた渡辺、東野組が今年最後の大きな大会で、東京五輪出場をグッと近づける。【松熊洋介】