柔道女子52キロ級世界女王で、グランドスラム(GS)大阪大会(22~24日、丸善インテックアリーナ)に出場する阿部詩(19)が21日、試合会場で最終調整した。

得意の背負い投げや足技などを約2時間確認し、汗を流した。今大会を優勝して、全日本柔道連盟の強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成を得ると20年東京オリンピック(五輪)代表に決まる。19歳の柔道家は、大一番に向けて「プレッシャーを考えたら今まで以上だが、それをしっかり自分の力に変えたい。楽しみは一切なく、どれだけ自分の力が出せるか。優勝して決められるように頑張りたい」と気持ちを引き締めた。

17年GS東京大会では、兄の一二三(22=ともに日体大)と兄妹で初優勝を飾った。一二三は五輪代表争いで、世界王者の丸山城志郎(26=ミキハウス)にリードを許す展開となっているが「お兄ちゃんの(今大会に懸ける)強い思いも、今まで一緒に練習を積んできたので分かっている。2人で優勝して、周りに『どうだ、見たか』としっかりアピールしたい」と、静かに闘志を燃やした。

 

◆柔道の東京五輪代表選考 男女各7階級1人で、選手の準備期間確保を重視した「3段階」による選考で決める。(1)19年世界選手権優勝者がGS大阪大会を制し、強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成で代表入りが決定(2)12月のマスターズ大会(中国)、来年2月のGSパリ大会、GSデュッセルドルフ大会終了時点で、強化委の3分の2以上が1、2番手の差が歴然としていると判断すれば代表選出(3)最終選考は来年4月の全日本選抜体重別選手権で、強化委の過半数の賛成で代表決定。