秋田ノーザンハピネッツ(東地区5位)がリーグ2連覇中のアルバルク東京(東地区2位)を85-74で撃破した。

前日(7日)の第1戦では、第4クオーター(Q)終盤までリードしながら競り負け。この日は最後までディフェンスの強度を緩めず、王者から10月16日の今季初対戦に続く2勝目を挙げた。11日にアウェーで対戦する首位宇都宮ブレックス戦へ、期待が膨らむ勝利となった。

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もう「まぐれ」とは言わせない。秋田が昨年1勝もできなかった王者から、真っ向勝負で今季2勝目をもぎとった。試合後のインタビューで前田ヘッドコーチ(HC)は開口一番、「うれしいでーす」。続けて「前回勝った時は『まぐれとか、勝てるんかなとか、2回目はないっしょ』とか、そういう気持ちがあったかもしれませんが、選手もブースターの皆さんも信じてよくやってくれました」と完勝を喜んだ。

前日は持ち前の激しいディフェンスで主導権を握りながら終盤ミスが出ての逆転負け。この日はチーム76点中、半数近い37得点を決めたキーナンが、疲労を考慮され欠場。白浜主将も負傷でベンチと、主力を欠く中、全員が一丸となって立ち向かった。

左ひざを痛め、前日約1カ月半ぶりに途中出場で戦列復帰した古川が、先発出場。前田HCは「頼りました。15分と言われていたけど20分やらせてしまった。やっぱり古川がいると安定するので」。古川は指揮官の期待に応え、第1Q最初の攻撃でいきなり3Pを決めるなど、チームを勢いに乗せた。PG細谷は要所で3Pを3本決めるなど最多17得点。キーナンに代わって出場したカーターも16得点と好機能し、相手に付けいる隙を与えなかった。

終盤に甘くなったディフェンスも、最後まで緩むことがなかった。細谷は「日本一激しい守備を目指している。今までは2試合目にインテンシティ(強度)が落ちることが多かったので、今日はそうならないようにみんなで確認しあった」と納得の表情を見せた。

10月の今季初対戦では65-60で勝利も、奇策のゾーンディフェンスが功を奏した。「正直、サプライズ的なやり方だったので心から喜べなかった。今日はチームの成長でつかんだ勝利なのでうれしいです」(前田HC)。10勝7敗ながら激戦の東地区ではまだ5位。浮かれているわけにはいかない。古川は「ここが自分たちの最低レベルだと思ってやっていきたい」とさらなる成長を約束した。【野上伸悟】