柔道熊代佑輔「最後までもがきたい」役割示す決意

  • グランプリ・テルアビブ大会への意気込みを語る熊代佑輔(撮影・峯岸佑樹)

柔道の強豪東海大男子柔道部の助監督で、男子100キロ超級代表の熊代佑輔(31=ALSOK)が21日、さらなる進化を誓った。グランプリ(GP)テルアビブ大会(23~25日、イスラエル)に出場するため成田空港を出発。

熊代は、14年9月のアジア大会以来となる海外での国際大会に強い決意を示した。「海外の国際大会で本当の自分の実力が分かる。恐れるものは何もない。新しいことにどんどんチャレンジしていきたい。(絶対王者の)リネールもエントリーしているので、もし戦えたら、良いアピールをしたい」。

昨年9月に減量苦のため100キロ級から100キロ超級に変更した。185センチ、120キロで臨んだ同11月の講道館杯全日本体重別選手権で優勝し、周囲を驚かせた。グランドスラム(GS)大阪大会では東海大の後輩、太田彪雅と影浦心に敗れて5位に終わったが、存在感を示した。

100キロ級時代には、国際大会で勝てない低迷期が続いた。14年世界選手権代表の最有力候補であったが、初の派遣見送りの屈辱を味わった。世界の厳しさを知っているからこそ、今大会は「特別な思い」で覚悟を持って臨む。母校の助監督に就任して以降、指導者と選手の二足のわらじを履く日々を送る。年齢を重ねながら稽古量は減り、乱取りを行わない日もある。しかし、学生を指導することで「考える力」を身に付けた。新年の抱負を「チャレンジ」とし、海外の強豪に立ち向かうため変則的な袖釣り込み腰などの担ぎ技を研究中だ。2月からは、新たにボクシングトレーニングを導入する考えもある。

中学まではサッカー少年で、大型GKとして関東大会にも出場した異色の経歴を持つ。元日本代表FW森本貴幸とも対戦したことがあり、強靱(きょうじん)な足腰はサッカーで鍛え上げた。「他競技から学ぶことは多い。そこから柔道に生かすためのヒントが見つかることもある。まずはやってみることが大事」。

東京五輪代表争いは、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜にリードされる中、熊代はこう言う。「まだ、(可能性は)0%ではない。ほぼほぼ無理という厳しい状況は分かっているが、最後までもがきたい。それが、自分の役割でもある。後輩たちには、『自分を超えて世界へ出ろ』と畳の上でメッセージを伝えたい」。進化し続ける31歳の柔道家が「若手の壁」となるため、イスラエルの地で意地を見せる。