バスケットボールのB1秋田ノーザンハピネッツに特別指定選手契約で入団するシューティングガード(SG)多田武史(拓大4年)が21日、秋田市内で会見を行い、上位浮上への救世主となることを誓った。

関東大学リーグなどで計4度の3ポイント王に輝くなど、3点シュートの正確さが大きな武器。同シュート成功率が今季18チーム中ワースト3位で7連敗中のチームに、新風を吹かせる。早ければ22日の宇都宮ブレックス戦(秋田県立体育館、午後7時5分開始)でデビューする。

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秋田に大学NO・1スリーポインターが加わった。多田は「自分の武器はシュート力とハードにディフェンスをすること。少ないプレー時間であっても、3ポイントを決めて、いち早くチームの戦力になりたい」。関東リーグの1部と2部通算で3ポイント王のタイトルを3度獲得し、トーナメント方式で行う昨年の関東大学選手権では得点王と3ポイント王の2冠。U-24日本代表経験もある頼もしい新戦力だ。

すでにチームに合流し、準備を進めている。「練習に参加して、ハピネッツはディフェンスからアグレッシブにやる印象。素晴らしいブースターに応援してもらえることもうれしいし、期待に応えたい」と意気込む。新潟県出身で雪国での生活は中学以来。「雪は好きですし、懐かしい」と、この日も降る雪景色に気持ちも向上。「やっぱり秋田は、お米がおいしいですね」。新潟コシヒカリとあきたこまちを「比べることは出来ない」と苦笑いしたが、早くも環境に適応し、プレーへの士気も高まっている。

理想像にはウォリアーズのクレイ・トンプソン(29)、バックスなどで活躍して18年に殿堂入りしたレイ・アレン(44)の名前を挙げた。「2人ともクイックリリースで打てるシュート力がすごい」。NBA歴代屈指の3ポインターを参考に磨いてきたシュート力を秋田に還元するつもりだ。

22日は東地区首位の宇都宮と対戦する。水野勇気社長(37)も「とにかくシュートの確率が高い。特に3ポイント。プレーチャンスはあると思う」と期待。2点、3点ともにシュート決定率リーグワースト3位で、東地区5位と苦しむチームの起爆剤となりそうだ。【鎌田直秀】

◆多田武史(ただ・たけし)1997年(平9)11月25日生まれ、新潟市出身。豊照小3年時に入船ブラックフォックスで競技開始。舟栄中卒業後は、八王子学園八王子(東京)で全国選手権などに出場。拓大を今春卒業予定。ポジションはシューティングガード。秋田での背番号は22。186センチ、83キロ。家族は両親と兄、弟。血液型A。靴のサイズは29センチ。