【メルボルン=吉松忠弘】日本テニス界の「ドラゴン」が復活だ。主催者推薦のアジア枠を獲得し本戦出場の世界ランキング146位、伊藤竜馬(31=北日本物産)が全豪7年ぶりの勝利を挙げた。

同123位のグンネスワラン(インド)に6-4、6-2、7-5のストレート勝ち。次戦では最多7度の優勝を誇る同2位のジョコビッチ(セルビア)に挑む。女子では同103位の日比野菜緒(25)が全豪初勝利を挙げた。

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12年ロンドンオリンピック(五輪)代表で、同年に自己最高の世界60位になった伊藤が、右ひじの手術を経て戻ってきた。

昨年12月に行われたアジア太平洋ワイルドカード選手権で優勝。今大会のアジア推薦枠を獲得し、それを見事に勝利につなげた。「マッチポイントを取った時は、本当にうれしかった」。

三重・阿下喜(あげき)小6年の時に、右ひじの軟骨がはがれる、いわゆる「野球ひじ」で手術を受けた。それが16年に再発。再手術し、痛みを抱えながら戦っていた。「(現役を)続けていいのか、結構、悩んだ」。それが「18年になって突然、痛みが消えた」。

それから2年をかけて、4大大会本戦で勝利を挙げられるところまで復帰した。次戦はジョコビッチが相手だ。「どうしてもやりたいと思っていた」。失うものは何もない。父孝治さんが好きな坂本龍馬にあやかり、つけられた竜馬という名前。得意のフォアの豪打「ドラゴン・ショット」で一泡吹かせる覚悟だ。

◆WOWOW放送予定 22日午前8時50分と、同午後4時45分から。ともにWOWOWライブで男女シングルス2回戦ほか。生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。