世界選抜メンバーの一員として、華やかな舞台でダンクを連発した。ウィザーズの八村塁(22)が、オールスター(16日)の前座にあたる「ライジング・スターズ」に日本人として初めて出場し、約20分間で14得点、7リバウンド、4アシスト、1スチールを記録。プロ2年目までの若手有望株が競演する試合で、存在感を示した。

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同年代のスター選手たちに交じっても、八村は気後れするどころか、むしろ輝きを増した。ドラフト全体1位指名ルーキーのウィリアムソンや同2位モラントら、注目メンバーがそろう米国選抜を相手に、次々とダンクをたたき込んだ。お祭り騒ぎの声援を受け、「自分たちの得意なところを見せ合う試合。いい感じで盛り上がったかなと思う」。満足そうに振り返った。

試合開始からエンジン全開。第1クオーター(Q)が始まって1分足らずで、速攻からのダンクを成功させた。約1分後には、前年新人王ドンチッチからの長いパスを空中で受け、そのままリングにたたき込むアリウープを披露した。その約30秒後にも両手で豪快にダンクを放つと、残り5分では再びドンチッチと息の合ったプレーを繰り出し、アリウープを決めた。

第1Qを終えた時点でチーム最多8得点。MVPを狙っていたかと尋ねられ、「そんなことはない。ただ勝ちたかっただけ」と一笑し、「負けるのが大嫌いなので」。その言葉に象徴されるように、第2Q以降は自らが強引に得点を狙うのではなく、リバウンドやアシストで貢献。得意とする中距離からのシュートも確実に沈めた。「コーチ陣には、『ミドルレンジから打っちゃ駄目。ダンクだけだ』と言われていたけれど、僕の持ち味はミドルレンジですから」。華やかな舞台でも浮かれることはなかった。

試合前には、日本人初のライジング・スターズ出場選手として紹介された。「この場に立ててとても光栄。日本人として誇りに思う。これからも日本のバスケットボールの成長に貢献できれば」。これからも世界のひのき舞台で、日の丸を背負って戦っていく覚悟だ。

◆ライジング・スターズ NBAオールスター本戦の2日前に、入団2年目以内の有望選手によって行われる前座試合。11年まではルーキーチャレンジと呼ばれた。歴代MVPにアレン・アイバーソン、カーメロ・アンソニー、ケビン・デュラントら。