サントリーが前後半通じ11トライを奪い、69ー14で日野に圧勝した。ボーナスポイントを含め勝ち点5を獲得し、暫定で4位に浮上した。第3節の神戸製鋼戦以来の出場となったWTBの中鶴隆彰(29)は、3トライのハットトリックを達成。自身の復帰戦勝利に大きく貢献した。

持ち味のスピードを最大限生かし、強風が吹き荒れるグラウンドを縦横無尽に駆け抜けた。風上に立った前半11分、待望の初トライ。「早くに奪えてほっとした」と久々にプレーできた喜びをかみしめた。その後2トライを奪うも、自己採点は100点満点中60点と厳しめ。もっと活躍できるという自身への期待度は高い。

神戸製鋼戦で脳振とうを発症し、無念の途中交代。3週間離脱を余儀なくされた。全体練習から離れ、1人坂道ダッシュなどを繰り返した。「頭を休めると同時に、体の調整もでき自信を持って臨めた」と万全の状態で迎えた。この日はゲームMVPにも輝き、勝利の立役者となった。

19年W杯で俊足を駆使し日本中を沸かせた福岡堅樹(27)から刺激を受ける。「(福岡の)スピードで世界を圧倒する姿が励みになった。自分も強みを生かしたい」と今季から気持ちを新たにする。ポジション争いが激化するチームの中で、武器を生かしさらなる活躍を目指す。