【ハーグ=エリーヌ・スウェーブルス通信員】ショートプログラム(SP)首位の紀平梨花(17=関大KFSC)が、2連覇を飾った。

国際スケート連盟非公認ながら“フリー自己最高”の156・38点を記録し、合計230・65点。4回転サルコーは回避したが、世界選手権(3月18日開幕、カナダ)へ完成度を高めた。横井ゆは菜(中京大)が2位。22日の男子フリーでは宇野昌磨(トヨタ自動車)が初優勝。田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)が2位となった。

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両拳を振り下ろすしぐさが、紀平の充実ぶりを示した。冒頭は4回転サルコーを回避し3回転を着氷。2本成功させたトリプルアクセル(3回転半)など、ジャンプは全て加点がついた。3つのスピン、ステップはいずれも最高のレベル4。“フリー自己最高”の得点にも「160点を目指していた。(4回転)サルコーなしでも、160点に乗せられる選手になりたい」と貪欲に完成度を求めた。

ジュニア時代から練習してきた4回転。競技会では昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルで1度組み込み、転倒した。誰よりも意欲的に取り組むが、今季は心境が変化。ロシアの16歳コストルナヤは、4回転を跳ばずにGPファイナルや欧州選手権を制した。

「昨季は4回転がないと、私もやっていけないかなと思っていた。でも(フリーで)アクセル2本という同じ構成で、4回転を何本も跳んでいる選手より、点数が高い。他のジャンプの自信が100%ぐらいあれば動揺せずに挑戦できる」

世界選手権までに4回転の精度を高めながら、投入は他の完成度を踏まえて見極める方針。4回転抜きの構成は、自信が「90点」まで高まった。ロシア勢ら実力者との競演へ、後悔のない総仕上げに入っていく。