柔道の東京オリンピック(五輪)代表選考会の1つ、グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会でドイツ滞在中の峯岸佑樹記者が、取材中のひとコマを随時お伝えします。

   ◇   ◇   ◇

1本のミサンガから五輪への熱い思いが伝わった。女子78キロ超級で東京五輪代表を逃した18年世界女王の朝比奈沙羅(パーク24)が優勝した。準決勝では尊敬する五輪覇者のオルティス(キューバ)に投げ勝ち、畳を下りながら号泣。その時、左足のサンダルにブラジルカラーのミサンガが光っていた。

リオ五輪の代表選考で落選した時、悔しさを忘れないために15年から着けているものだ。あれから5年の時が流れた-。再び、夢舞台への挑戦権を得られず、2度目の“不合格通知”を受けた。目標を失ったが、ミサンガは外さない。代表2番手でも、柔道日本代表としての強い自覚と誇りを感じた。