合言葉「TKO」だ!ラグ京産大の元代表戦士が始動

  • 京産大を指導する伊藤鐘史新監督(中央)(撮影・松本航)
  • 京産大を指導する伊藤鐘史新監督(撮影・松本航)

合言葉は「TKO」だ! 関西大学ラグビーAリーグ(1部)で4度の優勝を誇る京産大は26日、京都市北区の同大学で新体制の本格的な練習を開始した。

19年12月、全国大学選手権敗退で大西健氏(70)が47年間の監督人生に終止符。OBで15年W杯イングランド大会日本代表の伊藤鐘史(しょうじ)氏(39)が新監督に就任した。始動した前日25日には、全体でミーティングを実施。新チームの合言葉が定まった。

「TKO(天理ノックアウト)」

伊藤新監督は大西前監督から「自由にやってほしい。ただ、京産大ラグビー部の理念は受け継いで欲しい」と伝えられた。部の理念は次の2つだ。

〈1〉いついかなる場合も、チャンピオンシップを目指す集団であること

〈2〉何事にも学生らしく、一生懸命ひたむきに取り組むこと

「TKO」のターゲットとなる天理大は関西4連覇中。全国大学選手権では18年度に準優勝、19年度は4強と日本一に近い存在だ。伊藤監督は尊敬の思いを口にしながら、力を込めた。

「天理は素晴らしいチーム。そのチームにターゲットを置く。天理を倒して、大学選手権で日本一になる。理念はぶれていません」

25日のミーティングではボクシングの名KOシーンを画面に映し出し、部員とイメージを共有。スクラム、モールなど強力FWを軸に戦う伝統を継承し、新しい風を吹き込んでいく。

「スクラム、モールといった伝統のアタック。そこに『速いラグビー』を加えたい。僕たちはそれを『アクセル』と呼びます。その2つが融合した時、今までにないようなものが出てくると思う」

この日、新チーム初のグラウンド練習でも「速さにこだわろう!」と意識付けが行われた。主将を務めるフランカーの田中利輝(3年=東海大仰星)も明るい表情で意気込んだ。

「どこのチームもやったことがないラグビーをしたい。僕たちは国立(大学選手権4強)を経験していない。周囲の方には(4強が)近い存在かもしれないけれど、僕たちからすると遠い存在。それで直近の目標を作りたかった。『TKO』は日本一のステップになる。全国トップレベルの天理に勝った時に、日本一を確実に捉えられる」

悲願の大学日本一を目指し、強豪校の新たな挑戦が始まった。【松本航】

◆京産大ラグビー部 1965年(昭40)、大学創立と同時に創部。74年に関西Aリーグ昇格を果たし、82年に全国大学選手権初出場。関西リーグ優勝4回、同選手権準決勝進出7回。主なOBは元日本代表の広瀬佳司氏、大畑大介氏、19年W杯日本代表SH田中史朗(キヤノン)ら。3年生以下の部員は57人。4月に入部する新入生は「23人の予定です」(伊藤監督)。

◆伊藤鐘史(いとう・しょうじ)1980年(昭55)12月2日生まれ。神戸市出身。中学時代に阪神・淡路大震災で実家が半壊、建築に興味を持って進んだ兵庫工高でラグビーを始める。京産大を経て、03年からリコー。08年に神戸製鋼へ移籍。12年に日本代表に初選出され、15年W杯イングランド大会ではスコットランド戦に出場。日本代表36キャップ。18年に神戸製鋼を退団し、京産大FWコーチへ就任。20年1月に同大学監督への昇格が発表された。191センチ。