偉大な先輩に続け。ラグビー全国高校大会に2年連続で出場した札幌山の手出身の佐々木浩祐(18)が、名門の東海大に進学した。昨年のワールドカップ(W杯)で日本代表主将として初の8強に貢献した同校OBのリーチ・マイケル(31=東芝)と同じ道を歩み、将来の日本代表入りを目指す。

全国から有力選手が集まる東海大への加入に「挑戦してみたい気持ちが強かった」と力を込めた。3月20日に神奈川県内の寮に入ったが、新型コロナウイルス感染拡大の活動休止のため2日から故郷の美幌町に帰省している。現在は今冬に手術した左膝のリハビリ中で「ある意味チャンスだと思って、完全に回復した元の姿で戻りたい」。コーチ陣から個別に渡された練習メニューをこなしながらグラウンドに帰れる日を待っている。

高2の春、留学先のニュージーランドで、サンウルブズで遠征中のリーチから「オフロードパス」のコツを伝授してもらった。タックルを受けながらパスをする難しい技術。「倒れる時の膝のことや、周囲の声を聞き分ける大切さを教えてもらいました」とプレーの幅を広げるきっかけにもなった。

故郷は札幌から約300キロの美幌町。高校時代は親元から離れて生活した。父尚敏さん(48)ら家族は試合のたびに応援に駆け付け、車で往復8時間かけ日帰りすることもあった。食費、ニュージーランドへの留学や2カ月に1足買い替えたスパイク代など、経済的に「ビックリする金額」と尚敏さんは振り返る。それだけに佐々木は「恩返ししたい」と気を引き締めた。

東海大は全国大学選手権で3度の準優勝が最高。「日本一の景色を見たい」。リーチも果たせなかった全国制覇を成し遂げ、日本代表入りを目指す。

◆佐々木浩祐(ささき・こうすけ)2001年(平13)4月24日、美幌町生まれ。美幌旭小3年の時、美幌ラグビー少年団で競技を始める。美幌中1年から北海道選抜入り。札幌山の手では2年時にフランカー、3年時にロックで花園に出場して初戦を突破。U-17、U-18の北海道代表にも選ばれた。趣味は音楽鑑賞で洋楽が好き。家族は祖父母、両親、弟、妹。176センチ、93キロ。血液型O。