日本で開催された昨年のワールドカップ(W杯)で日本代表の主将を務めたリーチ・マイケル(31)が、ロイター通信のインタビューで今後の日本代表への思いや自身の将来について語った。

W杯では日本代表を史上初の決勝トーナメント進出に導いた。1次リーグでは強豪のアイルランドやスコットランドを下して世界を驚かせたが、日本代表の地位を確立するにはまだ十分ではないと話す。今後も継続して結果を残す必要があるが、トップリーグの日程により代表での活動に制限がかかり、難しい状況だという。「W杯までの4年間は(日本代表として)多くの時間を費やした。(現在はトップリーグと)並行してそれを行うことは非常に難しいプロセスだ。トップリーグは運営方法を変えて、代表チームが集まってトレーニングできる時間を設ける必要がある」との見解を示した。

W杯が終了して約半年が経った日本代表について「現時点で、代表チームはフォーカスされていない」と危機感を口にした。W杯前は長期間、代表チームとしての活動が許された。だが、今は各選手がトップリーグのチームに戻り、代表での練習は短期間でしか行うことができないという。

日本代表は7月にイングランド、11月にスコットランド、アイルランドの強豪国とのテストマッチが組まれている。世界の強豪10チームからなるティア1との対戦となるが「この試合で負け続ければ、その後はティア2の国との対戦に戻ってしまう。良いプレーを続けること、そしてティア1と継続して対戦するために、我々には多くのプレッシャーがある」とコメント。ティア1と対戦を継続するには結果を残す必要があると語った。

また、スーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズについても言及している。21年からはスーパーラグビーへ参加できないことが決定し「非常に残念」と語った。この大会では「良い日本人選手を育成するための素晴らしいルーツだった。来年参加することができなくなり、今後はどのように育成するかはわからない」と話した。

日本代表やサンウルブズには日本以外の出身選手が多く在籍している。その現状については「リーグや代表に日本人がいないチームになりたいとは思わない」と、あくまで日本代表には日本人が必要不可欠だと主張した。さらに「日本人選手を宣伝する方法が必要であり、我々が取るべき次のステップだと思っている」と日本人の選手に注目を集めるべきだと話した。

現役を引退した後については「いつの日か、日本ラグビーの最高責任者(CEO)になるかもしれない」と笑いながら語った。「私は日本ラグビーへの真の情熱を持っている。英語と日本語を使ってさまざまな協会とコミュニケーションを取ることができる。日本のラグビーをもっと良くしたいという気持ちは本物だ」と話し、日本のラグビー界の発展に貢献したいと考えている。