ブロンズコレクターから脱却する。18、19年全国中学柔道女子63キロ級3位の渡辺天海(15)が、北海道・旭川永山中から北海に進学した。1日に入寮し、2日から換気、消毒など新型コロナウイルス感染拡大の予防策を徹底した中で、トレーニングを開始した。晴れて新天地でのスタート。小学5年の全国学年別大会でも3位だったこともあり「もう銅メダルはいらない。高校で力をつけて日本一になりたい」と意気込んだ。

北海では01年講道館杯73キロ級王者の斎藤順道監督(41)の指導を受ける。同監督も札幌北白石中では、全国中学2位。その悔しさをバネに、北海3年で日本一となり、国士舘大では3、4年に全日本学生体重別選手権を制した。同監督は渡辺について「下半身が強く、新入生には珍しく先輩と組んでも簡単に投げられないで攻めにいける。足技がうまく、そこから大きい技につないでいけるのが強み。大事に育てていきたい」と話した。

本来は、中学卒業後に柔道をやめる予定だった。「全中で優勝したらやめようと思った。でも負けて悔しかった」。北海の女子部は昨年12月の全国選手権道予選で団体2連覇。道外への進学も選択肢にあったが、斎藤監督や強い先輩の存在に加え「両親がすぐ応援にきてくれるところでやりたかった」と、道内女子最強の高校を選んだ。

昨年6月、旭川で行われた全日本女子代表らが行う柔道教室に参加。自身より軽い52キロ級の阿部詩(19=日体大)と組んだが「びくともしなかった」とオリンピック(五輪)代表内定選手の強さを実感した。「まずは高校で頑張って、いつかは、自分も世界で戦えるような選手になりたい」。1歩ずつ地道にステップを上がり、大願を成就させる。【永野高輔】

◆渡辺天海(わたなべ・あまみ)2004年(平16)6月10日、鷹栖町生まれ。指導者をしていた父道人さんの影響で、幼稚園年長時に旭川の末広北道場で柔道を始める。鷹栖北野小5年で全国小学生学年別大会3位。旭川永山中では18、19年全国中学3位に。好きな柔道家は男子が丸山城志郎、女子は素根輝。好きな技は小内刈り、背負い投げ。家族は両親と姉。156センチ、63キロ。