柔道で東京五輪女子52キロ級代表の阿部詩(日体大)を輩出した兵庫・夙川高(旧・夙川学院)が1日、神戸市内の同校で練習を再開した。

新型コロナウイルスの影響で約2カ月の自粛を終え、3年生6人が50分ほど汗を流した。感染対策でマスクを着用し、対人練習はなし。1年時に全国高校選手権63キロ級を制した畑田暁菜(3年)は「ブランクとマスク着用で想像以上にきつかった」と苦笑した。

4月には全国高校総体中止が決定。昨年は女子団体で準優勝となり、日本一奪還を目指していた。女子の垣田恵佑監督(29)は3月の五輪延期決定時に阿部が発した「さらに強くなるので大丈夫です」という前向きな言葉を部員と共有。この日の練習後も「人生はこれから」と背中を押した。

18年に1年生で70キロ級を制し、昨年は3位だった桑形萌花(もか、3年)は「インターハイが全てじゃない。みんなと練習すると『自分もやらないと』とモチベーションが上がる」と笑った。4月から延期となっている全日本選抜体重別選手権を見据え「落ち込むよりも強くなりたい」。社会人を含めて同級8人のみが出場する大舞台へ、前向きに進んでいく。【松本航】