柔道男子60キロ級で五輪3大会連続金メダルの野村忠宏氏(45)が11日、YouTubeチャンネル野村道場を更新し、「1人打ち込み選手権」の優秀賞9人を発表した。

新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、全国で練習が制限される中、柔道の基礎である1人打ち込みの重要性を改めて確認し、今できることとして企画した。小~高校生を対象に「足払い」「大外刈り」「背負い投げ」の3部門で、それぞれ優秀賞3人を発表した。小学生とは思えない技のキレやスピードある打ち込み動画が多数あり、審査員を務めた男子代表の井上康生監督(42)や男子66キロ級で五輪2大会銅メダルの海老沼匡(30=パーク24)らも驚いていた。

井上監督は「レベルが高くてびっくりした。『強くなりたい』『五輪で金メダルを取りたい』などの目標を立てて日々努力し、その同じような気持ちを持った子がたくさんいることがうれしい。とても頼もしく思ったし、子供たちからエネルギーをもらった」。野村氏は日本柔道の課題である競技普及を支援するためにも「柔道の入り口は町道場。そこに活気が出れば日本柔道はもっと強くなるし、そうなるために応援を続けたい」と訴えた。

優秀賞を受賞した大半の子どもたちが、目標は「五輪金メダル」と記した。世界選手権を3度制すも、五輪金メダルはならなかった海老沼は「世界選手権は五輪の追加点と考えていた。五輪を異次元と思い込みすぎていたのかもしれない。世界選手権の時みたいに『もう少しできる』と自分をもっと信じられたら良かったのかもしれない」と複雑な胸中を明かした。

番組最後には“番外編”として、篠原信一氏(47)が背負い投げの1人打ち込みをする姿を公開。自身で「この子すごいねー。ばしーーんと決めてる。いいねー」と自画自賛する中、井上監督が「手よりも顔の決めが半端ない」と的確に突っ込み、子供たちへ笑いも提供していた。