ネーサン・チェン「興奮」GP開催に感謝と疑問も

国際スケート連盟(ISU)が「1人1大会」などの制限付き開催を決めたフィギュアスケートの今季グランプリ(GP)シリーズについて、米NBCスポーツ電子版が6日、昨季までGPファイナル3連覇中のネーサン・チェン(21=米国)のコメントを伝えた。

ISU発表後の4日夜に電話取材が行われたものといい、記事のタイトルは「ネーサン・チェンはフィギュアスケート(シーズン)再開に驚き、感謝すると同時に、質問がある」。出場できる大会が原則、開催国や近隣エリアの選手、練習拠点を置く選手に制限されるとはいえ「試合はリモートで行われると思っていたので少し驚いた。ただ、再び現実の試合をする機会が得られることに興奮している」と切り出した。

今季の変則ルールにのっとれば、チェンはGPシリーズ第1戦スケートアメリカ(10月23~25日、ラスベガス)に出場することになる。「条件が整うのであればラスベガスへ行ってみたい」と率直な思いを語りつつ「時間がたてば分かることなので、あまり心配はしていないが、少々の疑問もある」。新型コロナウイルスの状況によって「会場変更の可能性は」「観客の有無は」「採点システムはあるのか」と言及した。

詳細についてはISUが協議を重ねており、今月28日の次回理事会で一定の方向が示される見通しだ。その中でチェンは取材に対して近況も語っている。こちらもV3を目指した3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)が中止になった後、約2カ月間は氷上練習ができなかったという。16年1月に股関節の手術を受けて以降では最長の経験だった。

その後、ラファエル・アルトゥニアン・コーチと練習再開したものの、目標が見えず「いつまでにプログラムを決めて、大会に向けた練習を本格化すればいいのか。いつから試合に備えた精神状態に入ればいいのか。それらを考えるのは少し難しいことだった」と打ち明けた。

スケートに集中するためエール大を休学する可能性も口にするなど、さまざま考えを巡らせる期間でもあったようだ。バスケットボールのNBAが、無観客の代わりに仮想ファン映像を用いて試合している中継を見ながら、あらためてファンへの感謝の思いを再確認したという。

「観客の声援は、途中でガス室に入れられているかのように息ができなくなるプログラムを演じている中で、非常に大きなエネルギーを僕にくれるんだ」

大観衆の前で演技したいと思っているが、今季はそれが保証されないことも知っている、と原稿では補足されている。

いずれにしても、GPシリーズの方向性が見えた現在は前向きになっているようだ。「状況を考えれば、僕たちが今できる最大限のことはできていると思う」と話し「こうして競争の機会が与えられることは、非常に素晴らしいこと」とポジティブに締めくくった。