ウィザーズのルーキー八村塁(22)は右大腿(だいたい)四頭筋痛により、シーズン最終戦となったセルティックス戦を欠場、昨年10月からの1年目のシーズンを終えた。チームは接戦を制し、再開後初勝利。今シーズンを25勝47敗で終えた。試合後、取材に応じた八村は「昨日の練習で痛めてしまった。大丈夫かと思ったが、ウオームアップ中に(普段とは)あまりにも違ったので」とケガの状態について語った。

1年目のシーズンは鼠径(そけい)部のケガで約1カ月半のケガはあったものの、出場全48試合で先発し、13・5得点、6・1リバウンド、1・8アシストをマークした。「ルーキーシーズン長くていろんなことがあったけど、振り返るといろいろ学べたし、これからも役に立つと思う」。ブルックス監督は「今季は素晴らしかった。どんどん成長したし、彼のことを誇りに思っている。集中力も向上心も高く、シーズン通して収穫がたくさんあったと思う」と評価した。

開幕から14得点、10リバウンドのダブルダブルを記録するなど、攻守にわたり奮闘した。コロナ禍による中断明けはビール、ベンルタンスの主力を欠く中、リーダーとしての自覚を持ち、チームを支えた。今季10度の20得点以上のうち、再開後の7試合で3度をマークした。「チームを引っ張る感じで入って、相手のマークもきつくなったけど、その中で、僕のプレーがどうできるかというのが大事だと思って試合に臨んだ」とブルックス監督の期待に応えた。

ドラフト1巡目9位で指名を受けてから1年以上が経過した。すべてが初めての異例のシーズンを何とか最後まで走り抜けた。「1年間はこのNBAのバスケに慣れるのが一番大事だと思っていた。スケジュールがきつい中でもパフォーマンスを出すことが大事なのを学んだ」。来年はビール、ウオールの2トップが帰ってくる。「楽しみなチームになるので、オフシーズンにしっかり自分も成長して、来季に向けて頑張りたい」。来夏には東京五輪も控える2年目。成長一途の八村はさらなる飛躍を遂げる。【松熊洋介】