20日で開幕からちょうど1年が経過した19年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で、日本代表の8強入りに貢献し、フランス1部リーグのクレルモンに加入したFB松島幸太朗(27)が19日(日本時間20日)、本拠地で行われた欧州チャンピオンズカップ準々決勝のラシン92戦で移籍後初トライを挙げた。

6日のリーグ開幕戦で右太ももを負傷したが、2試合ぶりに復帰。チームは過去2度の優勝を誇る強豪に27-36で敗れた。

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日本のスピードスターが「足」で魅了した。15-33で迎えた後半29分。松島は敵陣ゴール前の密集からボールを受け取り、左へのフェイントで相手を置き去りにして前へ。得意の鋭いステップで鮮やかに相手2人をかわして、ゴールポスト左のインゴールに飛び込んだ。待望の移籍後初トライを決めたが、笑顔は見せずすぐに気持ちを切り替えた。フル出場し「苦しいところでチームがつないでくれたボールを決めることができて良かった。今季はチームが若返っているので(敗戦は)しょうがない」と振り返った。

チームは序盤から失点を重ねた。8-24で折り返した前半は、反則による一時退場者が複数出る激しい展開。相手キックがイレギュラーバウンドし捕球できず、不運なトライを許す場面も。後半は一時8-30まで離されたが、その後はテンポの速い展開で反撃。得点を重ねたが、あと1歩及ばなかった。アゼマ監督は松島の攻守での活躍を評価し「彼の才能があらわれたようなトライだった」と称賛した。

6日のトゥールーズとのリーグ開幕戦で、前半に右内転筋を痛めて交代。12日の第2節バイヨンヌ戦を欠場し2戦ぶりに復帰した。新天地での2試合目で存在感を示し、今後の活躍に期待が高まる。10月3日の第3節アジャン戦に向け、「これからもタフな戦いが続く。ミスを少なくして、チームのスタイルを出していけるようにしたい」と意欲を高めた。