体操で五輪個人総合2連覇の内村航平(31=リンガーハット)が再スタートの1歩を刻んだ。

両肩痛などの影響で、6種目を争う個人総合から鉄棒に専念して臨んだ初戦。H難度の離れ技「ブレトシュナイダー(コバチ2回ひねり)」に挑み、バーはつかんだものの車輪につなげられなかった。得点は14・200点で6位だった。

 

-演技を終えて

「何を言っても言い訳にしかならないですけど、やっぱ、1つだけに向かう気持ちがわかってなかったかな。1年ぶりの試合を冷静に考えると、ここまで試合をしてなかったのは久しぶりだったので、ちょっとよく分からない空間に放り込まれた感じで。いつもと違う感覚になってしまったな。落下はしてないんですけど、あれは落下と同等の減点はされている。悔しい気持ちが8割、1割はどうしてなんだろう、もう1割はしょうがないか、という気持ちですね」

-バーに近づきすぎましたか?

「落ちたくない気持ちが強くて、技の動き的にすごく、バーに近づきやすい技なので。遠ざけようとしたら遠くなってしまう。そこがつかみ切れてない部分かな」

-収穫は?

「落ちなかったことですかね。ブレトシュナイダーを試合で使ってみて、落ちなかったのは良かったかな。でも、これだけ準備してきた中で出し切れなかったのは残念です。みんなが6種やってて、自分が1種目というのは若干むなしいというか。本来は最初から最後まで同じ空気を感じて試合をしているはずなのになあ、というのも感じました」

-五輪への思いは

「昨年の全日本の後から言っているんですけど、あらためて今日も体操は難しいと感じたし。その中で頑張ってる若い子たちがすごく輝いて見えました。負けじと五輪に出て、昔みたいな輝きを放てるようになりたい」

-6種目と1種目の気持ちの作り方の違いは

「これはちょっとまだ一概には言えない。1年ぶりの試合というのがまだ、違うのかな。6種目やる中で、最初はトップギアに入れないんですよ。最初は2速くらい。そこから徐々にギアを上げたり、落としたりもする。最後に鉄棒でトップギアに入れるようにしていた。1種目だけだといきなりトップにいれることできないな、と。1年ぶりの試合だからできないのか、場数を踏んでいけばいけるものじゃないかとも感じています」