優勝候補の須山晴貴(22=島根大)が「やらかし」の悪癖で4位に沈んだ。

予選は451・50点と2位玉井に40点以上の差をつけてトップ通過。しかし決勝では2本目と5本目にミスが出て、スコアを約85点も落として366・35点で表彰台も外した。予選のスコアが出せば、決勝の玉井に約10点の差をつけて優勝だったが「結果も悪いし、流れも悪い。本当にまだまだ弱い。予選はパフォーマンスも体の動きもよかったので気負いすぎた。打ちのめされている」とがっくりだ。

高難度の技を6本並べる世界レベルの種目構成。今年2月に出した自己ベストの462・30点は、昨夏の世界選手権5位相当のスコアだ。しかし演技に波があり、まさかの0点ジャンプをやらかすこともある。

この日も35・70点の2本目について「板から前に足が出てしまった。波をなくすために死ぬほど練習してるんです。メンタルトレーニングを何回もやり、大学では臨床心理学を学んでいるんですが…。これが飛び込みの難しさというか…」とぼやき節で振り返った。

ミスが続いて、3メートル板飛び込みに参戦した玉井に最年少優勝を許した。「3メートル板飛び込み専門の選手として悔しい。これから陸斗君(玉井)は強くなるし。天才なので。勝つことが難しくなってくる。はいつくばってやるしかない」。昨秋に島根大を休学して、東京五輪にかけてきた。しかし五輪が1年延期となって「10月から復学します…」。それでも「延期はしょうがない。誰のせいでもないし。準備期間ができたととらえれば、自分にとってプラス。そう考えないとやってられない、というか、前に進めないので」と最後は明るく言った。【益田一弘】