昨年8月の全米以来、約1年1カ月ぶりに4大大会に復帰した世界35位の錦織圭(30=日清食品)が、いきなりの5セット試合で勝負強さを発揮した。

ノバク・ジョコビッチやラファエル・ナダルをも上回る5セット試合の現役最高勝率と、自身で最も高い勝率を誇る赤土の組み合わせで、第32シードのダニエル・エバンズ(英国)を撃破し、4大大会復帰戦を飾った。

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テニスの5セット試合は現在、4大大会しかない。18年までは国別対抗戦のデビス杯も5セット試合で、両大会合わせた錦織の5セット試合の生涯勝敗は23勝6敗。勝率0・793は歴代6位、現役最高勝率だ。もつれながらも「最後は集中できた。終わり方だけは良かった」と持ち味のしぶとさを発揮した。

すべての種類の中で赤土は、錦織が最も勝率が高いコートだ。約1年ぶりの復帰戦がオーストリアの赤土のコートになった時も「ラリーができてリズムが作れる。赤土で良かった」と話していた。この日の総獲得点では、錦織は3点負けている。それでも体に染みついた赤土の戦い方としぶとさで、相手を振り切った。

復帰後4大会目でようやく2勝目を挙げた。しかし過去2度のけがによる長期離脱の時は、ほぼツアー下部大会で調整した。今回はいきなりツアーで3大会をこなし、そのまま4大大会だ。そしてどんな内容であれ、4大大会の1勝は自信や体力面で大きい。今年は「出られる大会はすべて出る」ことで、試合勘を戻すことに焦点を当てている。それにはどんな形でも勝利が必須となってくる。

◆WOWOW放送予定 29日午後5時50分から。30日午前0時から。ともにWOWOWライブ。男女シングルス1回戦ほか。生放送。WOWOWメンバーズオンデマンドでもライブ配信。