東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会のスポーツディレクター(SD)に就任した小谷実可子氏(54)が1日、都内で会見し、「シンクロで培った笑顔と明るさとアピール力で務めていきたい」と抱負を語った。小谷氏はシンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)ソウル五輪銅メダリスト。

SD職はこの日、2代目スポーツ庁長官に就任した室伏広治氏(45)の後任で「室伏さんからはメールで、『すごく大変』と言われた。室伏さんが築いた各競技団体との友好関係をより強固にし、頑張っていきたい」と述べた。

大会開催には新型コロナウイルス対策が重要課題。それに向けて「現在、実際に国際大会に参加した選手から細かく対策についてヒアリングしていると聞く。まだ資料でしか見ていないが、1つでも多くの対策を勉強し、しっかりと対策の取れた東京大会にできるよう、まずは情報収集に努めたい」と話した。

延期による追加経費を圧縮するため現在、大会の簡素化に努めている組織委。そこに向けての姿勢を聞かれ「選手にとって最高のパフォーマンスを出せるものは何かという点を中心に据え、取り組みたい」と述べた。

小谷氏は、これまで務めてきた選手村の副村長も兼務する。選手村や競技場も簡素化の対象だが、独特な表現で簡素化後の東京大会の“成功像”を表現した。

「オリパラの最高の輝きは選手の最高のパフォーマンス。例えば女性がしっかりメークをして、ヘアを決めて、ダイヤをつけて、すてきなドレスを着て、すてきなバッグを持って、そういうのもすごくすてきだけど、それがなくてもその人自身がすごく幸せで、充実していたら輝く。そのようなイメージで大会自体も一番の輝きの根源であるアスリートの笑顔、最高のパフォーマンスがあればすばらしい大会になると信じています」と熱く語った。【三須一紀】