函館ラサールが3年ぶり3度目の花園出場を決めた。南北準優勝校で争う北海道第3代表決定戦で遠軽を59-12で下した。

前日18日南大会決勝で札幌山の手に敗れるも、今春就任の宇佐見純平監督(39)は「攻める姿勢」を徹底。荒木竜平前監督(56=筑波大坂戸教諭)からも「火の玉になれ」と激励され、中学時代“最弱世代”と呼ばれたチームが奮起。記念大会で1つ増えた出場枠で全国大会(12月27日開幕、大阪・花園ラグビー場)に臨む。

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攻めて、攻めて、攻め続けた。「ALWAYS ATTACK」のスローガンを掲げる函館ラサールフィフティーンがピッチで躍動した。前半4トライ、後半5トライ。59得点を奪って、互いに代表の座を争う遠軽を退けた。SH米重主将は「チームスローガンをやりきろうと、それが体現できた試合だった」。自分たちのスタイルで3年ぶり花園切符を引き寄せた。

試合開始30秒過ぎ。「相手をどかしてでも抜いてやりたかった」。自陣10メートル中央ラックから拾い上げたフランカー立石が、相手を抜き去り50メートル独走トライ。「予想外。あれで楽になった」(米重)先制点でよみがえった。3分後にもラックからの展開でWTB藤平がトライで加点するなど、前半だけで23点差をつけて突き放した。

前日18日の南北海道決勝は札幌山の手にノートライで3-47で大敗。その夜のミーティングで宇佐見監督は「とにかく原点に返る。どこからでも強気に攻めようと」と鼓舞した。3月に退任した荒木前監督から決勝前に送られた「全員が火の玉になってタックルをしてください」の言葉を選手に思い起こさせた。前日苦しんだFW陣は先制を含む4トライで攻撃の起点に。「今日は攻めよう」と臨んだ宇佐見監督の方針で、今大会3試合FBだった川村をSO起用。川村は「相手を振り切ることだけ考えた」と後半25分に60メートル独走し笑顔でトライ。FWとBKが一体となって躍動した。

3年生は函館ラサール中3年のとき5連覇中だった全道中学で北嶺に敗れた。米重は「毎年ぶっちぎりで勝っていたけど、僕たちは負けた。僕たちは“最弱の世代”と言われていた」。それでも2人の指揮官のもと力をつけ、昨年11月に全道新人で北嶺を破ると、今大会は北海道第3代表戦で3度目の全国切符を獲得した。米重は「花園で勝ちたいと思うし、ラサールすごいな、感動したなと言われる試合をしたい」。15年度、17年度に逃した聖地1勝を狙う。【浅水友輝】