異例のスタートだ。テニスの全日本選手権が28日、東京・有明で開幕。東京オリンピック(五輪)のために新たに建設された室内コートを使用し、感染症対策で、密を避けるために、1、2回戦は主審も線審もいない完全セルフ・ジャッジで試合が行われた。6年ぶりの出場となった世界71位の日比野菜緒(25)も「一般になって記憶がない」。

選手が自陣の判定を行い、スコアを自己申告するため、時には、ちょっとしたいさかいが起こることも。この日も、女子シングルスで、マッチポイントで分からない判定があり、微妙な空気が流れた。日比野は、慣れも必要ということで「セルフ・ジャッジの練習をしてきた」という。

また、審判がいないため、結果の裏付けとなる公式記録とも言う正式なスコアカードが存在しない。完全セルフ・ジャッジは、地方のジュニア大会で、早期回戦では行われることはあっても、プロの公式戦、それも日本テニス協会主催大会で行われるのは、異例中の異例だ。