バレーボールVリーグ女子2部(V2)が31日に開幕する。昨季の雪辱に燃えるアランマーレ(山形)は、チーム一丸でV1昇格を目指す。今季はコロナ禍の影響でサマーリーグ、国体、天皇杯が軒並み中止に。Vリーグ戦が今季初の公式戦となる。開幕戦はアウェーでルートインホテルズ(長野)戦。持ち味のトータルディフェンスに加え、磨き上げたスパイク力を武器に、白星発進で開幕ダッシュを切る。

   ◇   ◇   ◇

待ちわびたリーグ戦が、いよいよ開幕する。昨季は11勝10敗で8チーム中5位に沈んだアランマーレ。だが、終盤7試合は6勝1敗と調子を上げ、上昇のきっかけをつかんだ。北原勉監督(39)は「昨シーズンのディフェンス力を維持しながら、新人(4選手)の攻撃力が加わった。自信はありますし、ワクワク感が強い」。就任6年目。異例のシーズン幕開けも、気持ちは高まっている。

昇格のカギは攻撃力だ。昨シーズンのアタック決定率30・8%はリーグワースト2位。課題が明確となり、今季のモットーには「爆発力」を掲げた。4月から3カ月間はコロナ禍の影響で体育館が使用できず、個人練習で汗を流した。例年以上にフィジカル面の強化に着手した指揮官は「基礎体力、基礎技術の部分をみっちり鍛えられた。攻撃の爆発力につながる」と期待する。相手ブロックを打ち崩すスパイク力で上位進出を狙う。

全員バレーでリーグ優勝、トップリーグ昇格に挑む。主将でリベロの森寿実子(28)は「シーズンは長い。みんなで乗り越えて、気持ちを1つにして戦いたい」と意気込んだ。日々の練習では、選手間のコミュニケーションを大事にし、主将として「どうやって1点を取るのか、相手のスパイクをどうやって防ぐのか」と、声をかけ合って意識付けをしている。

物足りなさも感じる。1試合の観客入場者数が半分に制限され、会場を彩るスティックバルーンなど、鳴り物応援も当面の間は自粛を余儀なくされた。森主将は「アウェーでもファンの方が駆けつけてくれて、選手の力になっていた。来られなくても、応援してくれていると思うので、しっかり結果で応えたい」。悲願のリーグ制覇に向け、ファンの期待に応えて見せる。【佐藤究】