今季からカップルを組む村元哉中(かな、27)、高橋大輔(34=ともに関大KFSC)組が64・15点を記録し、2位発進した。小松原美里、ティム・コレト組が70・76点で首位に立った。

村元、高橋組は競技会デビューでRD「マスク」を披露。今季の課題となっているフィンステップなど要素をこなし、収容上限の50%ながら詰めかけたファンの拍手に包まれた。高橋は「少し(レベルの)取りこぼしがあったけれど、初めてということを考えると、すごく上出来だったと思いたいです」。村元も「デビュー戦としては満足のいく演技でした。(演技後は)『良かったんじゃない!?』と言っていました」と笑顔で振り返った。

昨夏のトライアウトを経て、結成された新カップル。2人に共通するのはスケートに対する欲だ。19年9月に行われた記者会見では、高橋がこう口にした。

「元々ダンスをやる時に、哉中ちゃんは『もっとダンスを知りたい』『追求したい』というのもあったし、僕もスケートを深く知る、その広がりを求めていた」

男子シングルとして10年バンクーバー五輪銅メダル、世界選手権優勝と偉業を打ち立ててきた高橋にとって、アイスダンスは新しい世界に導いてくれるものだった。村元も同じ場で、このようにうなずいていた。

「他にはない、踊れる、独特の空気感は強みになる。私もシングルから転向して4年。シングルからでもできるのは、他のチームにない強みだと思います」

目標は22年北京五輪。大阪の地で、新たな1歩を踏み出した。