第50回大会で優勝した盛岡工(岩手)が、第100回記念大会で半世紀ぶりの全国頂点を目指す。

岩手県決勝は13-5で黒沢尻北を振り切り、12大会ぶり35度目の花園切符を手にした。チームは全国優勝2回、準優勝2回の輝かしい伝統を背負う。だが、現3年生たちが入学した過去2年は県決勝にすら進出できなかった。就任5年目のOB小原義巧監督(38)は「今までの思いを全部ぶつけた」と、頂点に立った選手たちの戦いを称賛した。

準決勝で、黒沢尻工の6連覇を阻止してから、波に乗った。18年準決勝では5-104で大敗した相手に雪辱。伝統の強力FWで勝機をつかんだ。決勝戦に先発出場したFW8人の平均体重は92キロで、スクラム勝負には自信を持つ。開始4分、敵ゴール前中央スクラムで相手反則を誘ってPGで先制。さらに後半2分には敵ゴール前左ラインアウトからモールを押し込んで、勝負を決するトライを決めた。県3戦で計21ゴールを決めたキッカーのSH兼平歩雅(あるが)主将(3年)は「得点を刻んでFWを楽にしたかった。60分間走り切れた」と、チーム一丸で勝利を重ねた。

現役時にトップリーグのセコムや釜石シーウェイブスでプレーした小原監督は「基本は敵陣で圧力をかけ続けること。もっと、もっと伸びると思う。花園に向けて1日1日成長できるようにしたい」と、全国初采配を勝利で飾ってみせる。【佐々木雄高】