全日本大学バスケットボール選手権(インカレ、7日開幕=東京・代々木第2体育館ほか)に、女子の新潟医療福祉大が2年連続12回目の出場を果たす。PF成瀬夕湖主将(4年)のほか、在籍する4年生9人(スタッフ1人含む)全員がベンチ入り。大学生活の集大成として、8日の1回戦の福岡大戦に挑む。

成瀬主将がありったけの思いを口にした。競技は大学でひと区切りにするつもり。「バスケット人生の集大成という心意気で取り組んでいる」とインカレにかける覚悟を話した。4年生は、ほぼ全員が大学卒業を機に競技から“卒業”する。成瀬は来春から出身地、富山の病院で健康運動指導士として勤務する予定。だからこそ大学生の最終ステージへ、4年生の団結力は強い。

春先はコロナ禍で約1カ月半、練習できなかった。6月下旬に再開したが、最初は8人を5グループに分けて分散練習。4年生は就職活動、教育実習で不在になることも多かった。成瀬も母校の富山・奥田中で保健体育の教育実習を行った。現地入り後、2週間待機し経過観察、3週間の実習を終えて戻ると再び2週間の待機期間を作った。チーム強化が難しい状況の中、つかんだ2年連続のインカレ出場。伊藤篤司監督(48)は「誰が出てもチーム力は落ちないのが強み」と言う。総合力アップを図ってきた成果だった。

奥田中の1年先輩にはNBAで活躍する八村塁(22=ウィザーズ)がいた。超一流のプレーを身近に感じてきた。中学時代には運動量を高め、龍谷富山で先輩から命名されたコートネームは「ノン」。ノンストップが由来の「ノン」はインカレでも止まらずにコートを走る。1回戦を突破すれば、高校時代の同僚、PF水島仁奈(4年)が主将を務める日女体大と2回戦(9日)で対戦する可能性が高い。「ドライブでガンガン攻め、得点とリバウンドでダブル・ダブルを狙いたい」。“現役最後”の大会。成瀬はゲームでの目標数値を上げた。【涌井幹雄】

◆成瀬夕湖(なりせ・ゆうこ)1998年(平10)11月29日生まれ、富山県出身。奥田中2年で都道府県対抗ジュニアオールスター大会の富山選抜メンバー入り。龍谷富山高ではインターハイ出場1回、ウインターカップ3回出場。173センチ、70キロ。血液型A。