昨年の全日本ジュニア選手権を中学1年生で制した島田麻央(13=木下アカデミー)が、シニアの日本代表が集う恒例夏合宿に初参加した。

「まさか参加させていただけるとは…。シニアの人とはスピード感とか違いますし、一緒に練習できるなんて、なかなか経験できないことなので良かったです」と話した。「怖いお兄さん、お姉さんはいました?」と聞かれると「いないです! テレビで見た感じ、ほとんどそのままでした」と笑顔を見せた。

あどけない表情と幼い声の一方、国内大会では日本女子初の4回転トーループを決めた。3月にはトリプルアクセル(3回転半)も降りた女子随一のジャンパーだ。

まばゆい光を放つ新星だったが、国際スケート連盟(ISU)が先月に年齢制限の変更を決議。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪(オリンピック)の出場資格が「五輪前年の7月1日時点で17歳以上」と確定したことで、同時期に16歳の島田は出場できなくなった。

この決定について聞かれると、しっかりと答えた。 「全然、残念とは思っていないんです。まだまだ実力が足りていないので、出られる年(30年)の五輪で代表に選んでいただけるように、これからも変わらずに頑張っていきたいです」

名前の由来となった敬愛する浅田真央さんも、年齢制限変更で06年トリノ五輪に出られなかった。このことも尋ねられると「浅田真央さんも出られなかったんですけど、次の(10年バンクーバー)五輪で良い成績(銀メダル)だったので。自分もそんな演技ができたらいいなと思っています」と落胆など見せなかった。

札幌市などが招致に立候補している30年大会に持ち越し。夢に向け、今季からジュニアの年代になる。プログラムは「ショート(プログラム=SP)は最近、変えないことにしました」と「ライオンキング」の継続を明言。フリーは2曲を合わせたコンテンポラリーなナンバーにする。

ジャンプも、今季は新たな技には挑まない。既に現役最強を誇る4回転トーループ+3回転半に磨きをかけ「1年1年を大切に、五輪に出られる年に向けて成長していきたい」と自身に期待した。【木下淳】